「きのう、きょう、あした」
朝と夜、見えるか見えないかの色彩を何層も重ねる制作は
昨日と今日、今日と明日をつなぐ、自分との文通のようである。
朝の色彩に応える為に、夜、また新たな気持ちで画面に向かい、明日への問いかけをするように、絵の具を重ねていく。
制作の間に、何かが見えかかっていても、次の日には、跡形もなく違う色彩で覆ってしまう事もある。
長い間やりとりした結果、最初に戻ってしまう事もある。
昨日受け入れる事のできなかった色彩を今日は完成への手ごたえとして感じる事もある。
そして明日はどう変化していくのだろうか。
昨日、今日、明日、地図を持たない寄り道を楽しむような制作を今は心地く感じている。 2021年10月